とある性別違和の記録

自分の性別に違和を感じたわたしが、性同一性障害の診断を経て戸籍変更に至るまでを綴ります

性別適合手術・入院8日目

8日目、入院期間としては折り返しの日ですね。

昨日予想したとおり、なんだかてんこ盛りの日でした。

なお、今日の記録は割と生々しい表現が多発するのでご注意ください。

 

管が外れる

硬膜外麻酔の管、採尿チューブ、排液ドレーンなど、一気に管が取れました(この後点滴も外れたので完全オフです)。

いやあ、一気に下半身が楽になりましたね。

 

で、全て取り去った後、先生の手で患部の洗浄が行われたんですが、この時発覚したことがありました。

手術直後から亀頭に触れる感覚があって、もうそんなものはないので切り離したペニスの付け根に触れる感覚がそういうふうに伝わってくるのかしら、などと首を捻っていたのですが、正解は「クリトリスとして移植された亀頭の一部にものが触れた時に、それがどこの感覚なのか分からなくて位置を誤認していた」のでした。

脳内で思い描かれる触れられている箇所が、そこだけ別のところにジャンプするので、かなりのバグ感が味わえますね。

なお、詳細を書くのは憚られるのですが、今のクリトリスめっちゃ敏感になった時の亀頭並みのセンシティブな触覚なので、洗われたり触れられたりする度にビクビクしてしまいます。多分そのうち落ち着くと思いますが。

 

あと膣内の洗浄もされたのですけど、膣の中はあんまり感覚がなくて、ただそこに穴ができているんだということだけはしっかり分かりました。

 

初めての排尿

さてカテーテルも取れたので、手術後初めての自力排泄を行い、噂に聞いた「おしっこがどこから出るのか分からない」「どこの筋肉をどう使ったら排泄できるか分からない」というのを体感しました。思ってたより随分後ろから出るんだなという印象ですね。え、じゃあ膣はもっと後ろなの? とか、ここでも身体感覚がバグりそうです。

排尿量を測るため、一旦カップに取らないといけないんです。けどこれがどこに当てればいいのか、いつ排出が始まるのか分からなくて。ただ、排出についてはなんとなく一発で掴みました。なんかこの辺を緩めると出てくるわー、みたいな。

 

T字帯も取ってサニタリーショーツにナプキンを装着して履くことになりました(今だから言うけど、手術後に着けられたT字帯、裏表逆だったっぽいです)。パンティライナーは使ったことがありますが、ナプキンは初体験です。

 

あ、そうそう、この時例のかぶれて酷いことになってるところを初めて見ました。いや、本気で酷いことになっててちょっとあんぐりでした。だって滅茶苦茶痛そうなんですもん。ここは軟膏を塗ることになりました。

 

お昼

お昼ごはんは初めての選択食、天ぷらそばでした。

今まではベッドの上で状態を起こすだけだったのですが、起き上がれるようになったのでどこにどう座って食べようかとああでもないこうでもないと始めてしまいました。伸びるから早く食べればいいのに。

 

その後は立てるようになったのをいいことに、喜び勇んでこれまで手元になかったAndroidタブレットやiPodTouchをかき集めたり、飲み物を買いに行ったり、シャワーの準備をしたりしました。けれどそんなことをしているうちにパタンと電池が切れたように、いつの間にか眠っていました。まるで気を失うように……

 

シャワーの惨劇

午後からシャワー。ここで、自分で膣内洗浄を行う際のレクチャーを受けることになっていました。

完全に眠っていたので、様子を見に来た看護師さんに、出来るようになったら呼んでと言われ、なんだか疲れてるけど準備しなきゃと起き上がって支度を始めました。

トイレに行ってパンツを下ろすと、ナプキンの前から後ろまでどころか、はみ出たところまでが大量の血で汚れていました。前側は例のかぶれたところからの出血ですが。

先に体の他の部分を洗って、終わったら呼んでねと言われたので、支度をしてシャワーを浴び始めたんですが、何かくらくらするんですよね。わたし先日まで男子だったとは思えないくらい貧血で倒れた経験があるのですが、これも貧血かなあ、そりゃあれだけナプキンに血がついてるしな、などと呑気に思いを馳せながら体を洗ってたら、本気で倒れそうになりました。

あ、本当にだめだと思ったので、看護師さんを呼んだあと何があってもいいように体を拭き、手すりを支えに立っておりました。

やがて看護師さん到着、とりあえず膣洗浄だけでもとネラトンカテーテルを押し込もうとして、その先が血塗れなのを見て看護師さんもヤバさを感じたのか、先生を呼び体を拭き、先生がいらっしゃったので私の体を持ち上げるように立たせたところ、シャワー室の椅子にレバーの塊のような血が……

 

幸いにして先生がすぐに縫合後や膣内など確認してくださり、一旦想定している以上の大量な流血や綻びはないこと、想定している以上の流血ではないことを説明してくださいました。あの血の塊を目にした瞬間、何かを覚悟しないといけないのかと身構えたのは杞憂でしたが、とにかくまず休むことと、次に立ち上がるときはナースコールで呼ぶよう言い渡され、膣洗浄レクチャーは一旦棚上げに。

 

その他

お陰様でだいぶ回復しました。わたしはどうやら本当に貧血に弱いらしいです。

とにかく、明日に持ち越しになったことがいくつかあるので、まずそこからですかね。今日からは寝返りも打てますし、ベッドが交換され硬い床になったので、より快適に寝られそうです。