とある性別違和の記録

自分の性別に違和を感じたわたしが、性同一性障害の診断を経て戸籍変更に至るまでを綴ります

入院時の持ち物

今回は入院の記録を一旦離れて、わたしが入院時に持ってきたものについてざっくり解説します。

 

何が必要なの?

そもそも入院時何を持ち込めばいいのかについては、特に説明はありません。病院が作成した入院のしおりには最低限の持ち物について説明はありますが、SRSを受ける人が必要とするものについては、売店で購入することを前提として、特に事前に説明することはしていないようです。

これは一見合理的なのですが、一方でSRS後に何度も売店まで足を運ぶのは困難だったりもします。

そこで、いつものとおり先達の情報を参考にしました。

入院に必要な物について【2022.3加筆修正済】 | 山梨大学医学部附属病院でのSRS体験談(2020年度版)

 

ただし、これで紹介が終わるなら楽なものですが、実際にはそうもいきません。たった1年で治療方針ががらっと変わってしまう結果、必要なものについても大幅に変更されることもままあります。

そこで、今回はわたしが用意したものを書き出した上で、その必要性などについて書いてみようと思います。また、これがあれば楽だったのに、みたいなことも書いてみます。

 

入院時の持ち物

今回持ち込んだものをざっと書き出してみましょう。イヤフォンまでが入院のしおりで言及されているもの、それ以降は上記ブログから自分なりに読み取ったものです。

  • 普段使用している薬
  • マスク
  • ボックスティッシュ
  • 食器
  • シャンプー/リンス/ボディソープ
  • 歯ブラシ/歯磨き粉
  • 洗顔用品/化粧品
  • 着換え
  • 室内靴
  • タオル
  • 充電器
  • イヤフォン
  • T字帯
  • サニタリーショーツ
  • ナプキン
  • 吸水パッド
  • 防水レジャーシート
  • コンドーム
  • 手鏡

 

それぞれについては下記でご説明します。

 

普段使用している薬

常用している薬については、術前検査の日に確認されます(そういえば術前検査の記事に書かなかった気がするので後で追記しておきます)。

ここでいう常用している薬というのは病院で処方されたものに限らず、市販薬やサプリのようなものも含まれます。それが入院中にも使用して差し支えないものであれば、病院側で預かって定期的に出してくれます。

入院当日預けますので、必要な分を持ち込んでください。薬の異動がないかを確認するのにお薬手帳も必要です。

 

マスク

このご時世必須アイテムですね。病室を出たらマスク必須なので、必要量持っていきます。

 
ボックスティッシュ

2週間以上の入院なので、ボックスティッシュは必須です。普通に考えたら現地調達でいいですけど、やや嵩張る以外たいしたこともないので持ってきました。

 
食器

病院の食事には食器が付属しないので、必ず持ち込みます。売店で割り箸とか使い捨てのスプーンやフォークが買えるのでそれでも良いですが、わたしはキャンプで使ってみようと思っていた折りたたみの食器セットがあったのでこれを買いました。

あとは食事の時も使いますが歯磨きなどでも必要になるプラスチックのコップですね。これも現地調達できますけどそこまでかさばらないので家にあったプラスチックのカップを持っていきました。

それとストロー。水分は十分に取る必要がありますが、最初は起き上がるのも大変なのでストローがあると便利です。これも元々リユーザブルストローを買いたいと思っていたので、買いました。

もっともこのストロー、出しそびれてしまい歩けるようになってから使い始めたのであまり意味はなく……あ、でも使い勝手はいいです。ペットボトルに挿して使っています。

 
シャンプー/リンス/ボディソープ

これも現地調達できますけど、わたしの髪はパンテーンで洗わないとだめなので(髪質が)、百均で買える小分けボトルで持ってきました。

 
歯ブラシ/歯磨き粉

当然歯も磨きますので必須アイテムです。持っていきましょう。

 

なお、以上のアイテムは、売店で「入院セット」として売られているものに含まれます。特にこだわりがなければ入院初日に買うのでもいいかと思います。

 

洗顔用品/化粧品

洗顔と化粧水などの基礎化粧品もなくては困るので、普段使いのものを持ち込みました。

それと退院する日はメイクしたいので、化粧品も一揃い。

 

着換え

入院中は特段の理由がない限りずっと貸し出される病衣を着ているので必要ありませんが(下着は後述)、退院時に着るものが必要です。入院時に着てきたものを入院中に洗濯して着るなら不要ですが。

あと、胸のある方は、病室から出る時に気になると思いますので、病衣の下にカップ付きインナーを着るなどは必要かもしれません。わたし? 聞かないでください(泣)。

 

室内靴

入院のしおりに書いてありますが、滑ったり脱げたりして転倒するのを防ぐために、かかとのある滑らない靴を持っていく必要があります。学校の上履きみたいなので良いと思います。

 

タオル

フェイスタオルとバスタオルが要ります。枚数は個人の使い方によるので、必要最小限の枚数を計算して持っていきます。洗濯を活用して少なくできるようするとよいかと思います。

 

充電器

今時携帯電話を持っていかない人はいないと思いますので、その充電用の機器も必要です。電源コンセントの位置が近いとは限らないので、長いUSBケーブルのものがあると良いです。

ちなみにコンセントは2口しか使えないので、携帯とタブレットとオーディオプレイヤーと……みたいに複数の機器を繋ぐ時は効率良く繋げるよう考えましょう。

 

イヤフォン

病室で音を出すのはだめなので、動画を見たい、音楽を聞きたいなどの場合、必ずイヤフォン経由で聴きます。

これはテレビを見る場合も同じですが、部屋のレイアウトによってはテレビが近くないため、ケーブルの長いイヤフォンが必須です。ですがこれは用意するのが面倒なので売店で買いましょう。たしかそういう用途のイヤフォンがあるはず。

 

一般的な入院用の用具とは別に、SRSを受けたあとのケア用品についても。ただしここからは判断がつかなかったら全て売店で購入でもいいと思います。

 

T字帯

有り体に言って売店で買えばいいので、持ち込む必要はありません。が、「もし売店で売り切れてたらどうしよう」と心配性を発揮したわたしは買って持っていきました。というのも、2020年のブログでは「かんたんT字帯」という商品を使うというお話が書かれていたのですが、これが現在メーカー欠品で、これ買えない可能性も0じゃないよねという疑念が(よせばいいのに)頭をよぎってしまいまして。

T字帯であればメーカーや形状問わず何でも良いみたいです。わたしは一般的な形状の製品を持ち込みましたが、入院時に看護師さんに確認したら「これでいいよ」と言われました。

手術時に必須なので、現地調達だとしても早めに買いましょう。

 

サニタリーショーツ

SRSのあとしばらくは、下半身はT字帯だけになります。T字帯の下は患部をガチガチに固定した状態です。

その後固定が外れたらパンツに履き替えるわけですが、出血は続くので何らかの対策が必要ということで、妥当な選択肢としてサニタリーショーツを選ぶことになります。

なお、病院側からは特にこういうものをという指定があるわけではないので、通常履いているパンツでもいいですし、逆にオムツのようなものでもいいのですけど、サニタリーショーツにしておくのが無難というのが、山梨大学に限らずSRSを受けてきた方たちの意見と思っていただいてよいかと思います。

枚数はご自身で判断を。履き替えるタイミングとか、選択の有無でも変わります。ただ荷物はどうしても多くなるので、必要最小限の枚数ですむよう計算しましょう。

 

ナプキン

上のサニタリーショーツで書いたように、出血はずっと続くので、こちらは必須です。

わたしはこれを持ってきました。

14個×2では足りなそうと思ったので、これを2つ。つまり56個ですね。おかげでボストンバッグの容量の4/10はこれで埋まりました……

もちろん現地で買うのでもいいのですが、わたしは買い出しの手間と価格差を考えて持ち込みを選択しました。

「そんなに要らないんじゃない?」と思われるかもしれませんが、出血量は人それぞれなので、頻繁に替えないと間に合わない可能性のほうが大きいです。実際、現時点(入院11日目)での私の使用量はすでに2パック目を半分くらい消費しているので、3パックでは足りなさそうです。

荷物を極力減らすのであれば現地調達、そうでなければ持ち込みですが、現地調達の場合もSRS前に買っておきましょう。いざ固定が外れて必要になった時に、売店まで買い出しに行くのはかなり厳しいです。

なおサイズについて言うと、実はこれでも結局後ろ回りしてショーツに血がついているので、もっと大きい方がいいかもしれないですね。

 

吸水パッド

ベッド上で膣洗浄するときの必需品。ですが、もしかするといらないかも。

というのも、2020年の時点では固定が外れたら大部屋に移動してそこでダイレーションと膣洗浄を行うというのが流れだったそうなのですが、どうやら少なくともわたしが入院している時点では、おそらく退院まで個室で、洗浄は個室のシャワーを使うという治療方針になったみたいなのです(このあたりちゃんと確認していないのですが)。

一度は使ったので全く無駄にはなっていませんが。

この辺は治療方針でガラッと変わるので、現地調達で良いと思います。

(追記)膣洗浄では使わないものの、ダイレーションはベッドの上で行うので結局必要です。要はシーツを汚さなければいいので吸水パッドである必要はないですけど。

ただダイレーションは行わない可能性もあるので(入院12日目の記事参照)、現地調達で良いという結論は変わりません。

 

防水レジャーシート

上記吸水パッドとセットで使うために持ち込みましたが、同じ理由で持ち込まなくて良いと思います。

 

コンドーム

これはダイレーション時にダイレーターに被せて使用します。そもそもまだ現時点でダイレーションを行っていないので分かりませんが、まあ必要になるはずです。

ちなみに退院後も同じ理由で必要なので、業務用のを纏めて買って、入院時は必要な分を小分けで持ち込めばいいです。私は下記のものを買いました。

持ち込んだのは20個ですが、入院中にダイレーションを行う回数によって変わります。わたしの時点ではダイレーションの開始時期が以前より遅くなったようなので、10個あれば十分だったようですが、そこまでかさばるものでもないので荷物の隙間に多めに入れてきてしまえばよいかと。

(追記)ちなみに用意していなかったのですが、ダイレーションを行うのであれば潤活用のゼリーも必要です。

百澤先生ご推奨の商品はこちら。

これは持ってきていませんでしたが、ダイレーションをするつもりでコンドームを持ち込むならセットで用意しましょう。

 

手鏡

自分のものは屈み込んでも見えないので、どこに何があるか確認できません。そこで、片手に手鏡を持った状態でダイレーションや膣洗浄をすることになります。基本的に必須で、おそらく現地調達できないか、できても選択肢が少ないので、事前に実物を手にとって使いやすそうな物を購入し、持ち込みましょう。用途がそういうものなので、あまり大きくないもの、重くないもの、取り回しの楽なものを選ぶのが良いかと思います。

わたしはこれを買いました。

 

これを鞄に詰め込むと

さすがにこれだけのものを鞄に詰め込んだら、ものすごい重さになりました。なお病院からは事前に「個人のスペースは小さいからなるべく荷物はコンパクトに」と釘を刺されているので、これでも鞄一つに収めました。

いやしかし、本当に重くてですね……入院当日の朝は外来で預かってくれたので、以後PCR検査の結果が出て戻るまでは軽くて楽でした。

 

忘れちゃいけないもの

実はこれ以外に忘れちゃいけないものがあって、入院中は基本暇なので、時間が潰せるものを用意しておく必要があります。

本だとか、動画閲覧用のタブレットだとか、何か余暇を過ごせるものを持ち込みましょう。

ただし暇とはいえ、SRSを受けた場合やることはそれなりにあるので、意外にそれほど時間はないかもということも頭においておくと良いです。「ああ、こんなに持ってくることはなかったな」などとなりませんように。

 

あれば良かったもの

実は途中まで検討したけど、嵩張るからと持ってこなかったものがあります。

マジックハンド

「入院 マジックハンド」で検索すると少なからぬ数の記事が引っかかるので、今や入院グッズの定番に近づきつつあるようです。

これが意外に、「あれば便利だったかもな」とちょっと後悔しました。何かというと、あとちょっと手を伸ばせばとれるのに届かないものを、いちいち立って取りに行くのが非常に非効率なんですよね。これはものぐさとかではなく、立つにも痛みが伴ったりするので、養生のためにも立たない方が良いということもあります。SRS直後はそもそも物理的に立てませんし。

もう一つの使い道が、床に落ちたものを拾うこと。股間に傷を抱えていると、立ったり屈んだりがかなり不自由です。そんな時マジックハンドがあれば楽だったろうなと思いました。